まほろんイベント「古代の鉄づくり」

4.製鉄炉の操業

 平成24年11月3日(土)、いよいよ製鉄炉の操業を実施しました。操業の際に、送風作業を行う人を‘番子(ばんこ)’といいます。多くの方がこの‘番子(ばんこ)’さんとしてイベントに参加しました。

 

1.イベント開始
 9時30分の開館と同時にイベントを開始しました。踏みふいごを踏むと、製鉄炉から炎が舞い上がりますが、目の当たりにする炎は迫力満点です!

 

2.かわり番子
 10時過ぎ頃から写真のように来館者が増え始め、踏みふいごを踏む体験も、交代で行うようになりました。まさに‘かわり番子(ばんこ)’です。

     
 

3.耐熱ボードの設置
 番子さんは、みんな笑顔♪。でも炎の近くはとても暑いんです。そこで、操業の途中から、炎の熱さを軽減するため、製鉄炉と踏みふいごとの間に耐熱ボードを設置しました。

  4.太鼓を叩く
 踏みふいごによる送風は、太鼓に合わせて一定のリズムで行いました。
 太鼓の後ろでは、番子(ばんこ)の順番待ちの子どもたちが、野外展示「平安時代の製鉄炉」の踏みふいごを踏んでいました。元気です!
     
 

5.炭を入れる
 操業を続けるためには、製鉄炉に燃料となる炭を入れ続けなければいけません。炭が燃焼してやや少なくなった頃に上から投入します。
 写真は、「まほろん森の塾」の塾生が炭入れをしているところです。この日参加した塾生たちは、全員、順番に炭入れを体験しました。

 

6.砂鉄を入れる
 事前にイベントに参加申し込みをしていた方についても、炭入れのほか、鉄の原料となる砂鉄を入れる体験も行っていただきました。

     
 

7.炭の計量
 炭や砂鉄は、一度に投入する分量を決めて行いました。製鉄炉の操業のかたわらでは、職員が計量に奮闘していました。
 今回のイベントで投入した炭は、全部で260s、砂鉄は76sでした。

 

8.炉の底をつつく
 鉄が生成されるには、ノロ(炉壁と砂鉄中の不純物が溶け合わさったもの)ができていなければなりません。頃合いを見計らって、製鉄炉の底をつついてノロを出す作業を行いました。穴からのぞくと奥にノロらしきものが見えるのですが、なかなか出てきません。

     
 
9.送風装置の補修
 操業中には、何度か送付装置の補修を行いました。空気がもれてきているところを確認し、粘土で密封しました。
 

10.夜も踏みふいご
 イベントも終盤。夜もみんなで交代しながら踏みふいごを踏みました。
 踏みふいごによる送風は、19時に終了し、機械による送風に切り替えました。

     
 
 ★製鉄炉の構築

   → 1.製鉄炉の基底部をつくる


   → 2.製鉄炉をつくる


   → 3.送風装置の設置作業


 ★イベントの様子

   → 5.製鉄炉の解体

11.やっと流れたノロ!
 イベント終了後、職員が製鉄炉内の炭が燃え切るのを見守っていた深夜0時頃、待ちに待ったノロがついに流れました!流れた量は多くはありませんでしたが、鉄ができているのではないかという期待が高まりました。