まほろんイベント「古代の鉄づくりB製鉄炉操業」

2.製鉄炉をつくる

 製鉄炉は、下段部から上段部まで3段階に分けて、その都度焚き火により乾燥させながらつくります。

 

1.下段部をつくる
 炉底に粘土ブロックを積んでいきますが、この段階で、ノロ(炉壁と砂鉄中の不純物が溶けたもの)を出すためのトンネルとなる部分に竹を設置しておきます。竹は、焚き火の際に焼失します。

 

2.下段部の完成
 製鉄炉の内部に風を送るための管=羽口(はぐち)を長辺の両側に10個ずつ設置し、さらにその上に粘土ブロックを積み上げていきます。

     
 

3.羽口は角度が大事
 羽口を設置する際には、角度が非常に重要なのです。風がそれぞれ向かい合う羽口の下部に当たるように設置しました。この角度が、今回のイベントで目的とする銑鉄(せんてつ)という炭素分の高い鉄を得るために不可欠なのです。

  4.中段部をつくる
 炉の下部を焚き火によって強制乾燥させた後、粘土ブロックを積み上げて、炉の中段部を作ります。
     
 

5.粘土ブロックづくり
 製鉄炉の構築と並行して、粘土ブロックづくりも急ピッチで進みました。

  6.水平を確認
 一段積んだら、その都度水平となっているか確認し、調整しながら構築します。
     
 

7.中段部の完成
 中段部まで積み上がったら、再び焚き火で乾燥させます。

  8.上段部づくり
 内側の壁が垂直になっているか確認し、ゆがんだ箇所は叩いて修正します。ここまで来たら完成は近い!
     
 
 ★製鉄炉の構築

  → 1.製鉄炉の基底部をつくる


  → 3.送風装置の設置作業



 ★イベントの様子

   → 4.製鉄炉の操業

   → 5.製鉄炉の解体
9.製鉄炉の完成
 最後に焚き火によって上段部を含めて乾燥をさせ、製鉄炉の完成です。今回の製鉄炉は、南相馬市長瀞遺跡15号製鉄炉をモデルとしました。規模は、底面からの高さ120cm、幅70cm、長さ150cmとなっています。
長瀞遺跡15号製鉄炉の写真
長瀞遺跡の位置図