まほろんイベント「古代の鉄づくりB製鉄炉操業」

4.製鉄炉の操業

 平成21年11月7日(土)、いよいよ製鉄炉の操業を実施しました。今回のイベントでは、踏みふいごを踏む‘番子(ばんこ)体験’の他に、製鉄炉の操業を体験する‘村下(むらげ)体験’も行いました。

 

1.イベント開始
 9時30分からイベントを開始しました。番子さんが踏みふいごで送風すると、製鉄炉から炎が舞い上がります!

 

2.炭の計量
 ‘村下体験’では、鉄づくりの燃料となる炭、原料となる砂鉄を計量し、製鉄炉に投入する体験を行いました。炭を計量する作業(木箱1個あたり4s)は、顔も服も真っ黒になる大変な作業です。

     
 

3.炭を入れる
 踏みふいごによる風は、風箱や羽口を通って製鉄炉の下部に送られます。このため、炉の下部の炭が燃焼し、上部の炭は徐々に下に落ち込んでいきます。頃合いを見計らって、炎が舞い上がる灼熱の炉に炭を投入!これまた大変な作業です。

  4.砂鉄の計量
 砂鉄も、事前に計量(スコップ一杯あたり1s)し、すぐに投入できるように準備しておきます。砂鉄は、炭の後に投入します。
     
 

5.砂鉄を入れる
 親子で協力して砂鉄投入〜。
 今回のイベントで投入した炭は、全部で432.8s、砂鉄は92sでした。

  6.耐熱ボードの設置
 番子さんは、炎に近い場所で作業をするため、汗びっしょりです。炎の熱さを軽減するため、途中から、製鉄炉と踏みふいごとの間に耐熱ボードを取り付けました。
     
 

7.下帯び姿の番子隊
 当事業団遺跡調査部の職員たちが、下帯び姿で番子体験。その中で、小さな女の子も頑張って踏みふいごを踏んでいました♪(写真中央)。

  8.流れ出る銑鉄
 火花が飛び散って流れ出る銑鉄(せんてつ)。感動の瞬間です!ただ、ノロ(炉壁と砂鉄中の不純物が溶け合わさったもの)は、製鉄炉の内部にたまったままでした。
     
 
9.できた銑鉄
 「8.流れ出る銑鉄」の写真で流れ出て固まった銑鉄です(単位:cm)。銑鉄は鋳物用に使用する鉄です。
  10.羽口の詰まりを除く
 操業の後半になると、製鉄炉の内部にたまったノロにより、羽口の先端がたびたび目詰まりしました。その都度、羽口を取り外してノロを除去し、操業を続けました。
     
 
 ★製鉄炉の構築

   → 1.製鉄炉の基底部をつくる


   → 2.製鉄炉をつくる


   → 3.送風装置の設置作業


 ★イベントの様子

   → 5.製鉄炉の解体
11.操業の終了
 19時には、踏みふいごによる送風を終了し、一晩かけて炭が燃え切るのを見守りました。