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かどうか、実験を行って確かめながらこの三角縁神獣鏡を復元しました。鏡は鋳型に溶けた銅を流し込んで作られます。そのようすを、実際に実験や復元に使った鋳型を展示して説明します。
 復元は見事に成功し、一つの鋳型から2枚の鏡を作ることができました。
 このほか、福島県や隣接する県から出土した銅鏡がまほろんに集まりま

第2回開館記念特別展

 まほろんの開館を記念する第2回の特別展を開催いたします。タイトルは「復元!三角縁神獣鏡」、期間は平成13年10月27日(土)〜12月2日(日)、場所は当館特別展示室となっています。
 この展示は、まほろんの整備業務で行ってきた会津大塚山古墳出土の三角縁神獣鏡の復元をテーマに、古代の鋳造技術と復元研究の成果を展示します。
 展示のおもな内容は以下の通りです。
第T部 福島の三角縁神獣鏡はこうして出土した
 東北地方で唯一、三角縁神獣鏡を出土した会津大塚山古墳と、その出土品を紹介します。古墳時代の大型前方後円墳に副葬された品々を展示します。 
第U部 鏡を観察してみよう
 会津大塚山古墳の三角縁神獣鏡には、そっくり同じ形をした兄弟鏡が、岡山県の鶴山丸山古墳から出土しています。この2枚の鏡をくわしく観察してみます。じっくり目を凝らすと、そっくり同じ形の2枚の鏡がどのようにして作られたか、ヒントを見つけ出すことができま す。
第V部 鏡はこうして復元した
 観察の結果、これらの鏡は1つの鋳型を使って作ったのではないかと考えられます。
 まほろんでは、鋳物職人さんにお願いして観察でわかった方法ができる

す。古墳時代から中世まで、時代ごとに銅鏡はいろいろな種類のものが作られています。
 鋳造製品は身近にもたくさんあります。まほろんでは現代の鋳造製品も展示 します。えっ、こんなものも鋳造製品なの?と思うようなものもあるかもしれません。乞うご期待!

  特別展記念講演会の
          
ご案内

日 時 11月11日(日)午後1:30〜3:00
場 所 まほろん講堂
講 師 鈴木勉先生(奈良県立橿原考古学研究所所員)
演 題 「最先端技術があかす三角縁神獣鏡のナゾ」 
内 容 鈴木先生は三次元レーザー計測器など、これまでの研究になかった最先端技術を使った新しい方法で三角縁神獣鏡の研究をしています。先生には三角縁神獣鏡のナゾをいかにして明らかにしたかお話いただきます。


<同じ場所と別な場所に傷がある鏡>
 

三角縁神獣鏡の復元 その2

 三角縁神獣鏡復元チームの面々

 鏡の鋳造には専門的な知識と技術が必要で、二人の専門家の協力をえることになりました。一人は製作技術の面から三角縁神獣鏡の研究を進める鈴木勉さんです。鈴木勉さんは、わずかなカタチの違いも計測できるレーザー計測器などの最先端技術を用いて、あらたな視点から三角縁神獣鏡の研究を行っています。もう一人は、茨城県真壁町の創業800年をほこる小田部鋳造の御鋳物師、第37代目小田部庄右衛門さんです。小田部さんは各地で鋳物の修行をつみ、現在は小田部鋳造で梵鐘の鋳を得意とする若手の御鋳物師です。この面々が力を合わせて三角縁神獣鏡の復元をすることとなりました。
 鏡の観察と復元の手がかり
 さて、この三角縁神獣鏡、東北地方からも一面だけ出土しています。福島県会津若松市にある会津大塚山古墳という全長114mの前方後円墳から出土したものです。現在のところこの鏡がもっとも北で出土した三角縁神獣鏡で、復元のモデルに選んだのはもちろんこの鏡です。
 この鏡と同笵と考えられている鏡がもう一面だけ存在しています。岡山県の鶴山丸山古墳から出土した鏡です。まずこれらがどのように作られているかを調べるため、福島県立博物館のご協力で観察を行いました。

 博物館の一室で、三角縁神獣鏡にじっと目をこらし、文様の一つ一つをチェックした結果、二枚の鏡の同じ場所に同じ形の傷がついていること、両方の鏡の同じ場所にある傷でも、一方はより進行していることなどがわかりました。(写真参照)ほかに、鋳型の一部を手直ししたらしい箇所もみつかりました。このことから、2枚の鏡は、どうやら同じ鋳型から作られた、つまり同笵技法よって作られた可能性のあることが確認されました。
 この観察の結果、まほろんに展示する三角縁神獣鏡をどのように復元するかを考える重要なヒントをたくさん得ることができました。 (つづく)

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