天神谷地遺跡
- 調査期間
- 4月~9月
- 場所
- 南相馬原町区上北高平字天神谷地
- 該当時代
- 縄文時代
- 調査原因
- 主要地方道原町線川俣線(下高平工区)整備事業に伴う発掘調査
8月9日の様子
天神谷地遺跡の現地公開を行いました。当日は天候に恵まれ、平日にもかかわらず県内外から多くの方にお越しいただきました。
南側調査区を開放し、遺物包含層や出土した遺物、実際に作業している様子を間近でご覧いただきました。「近くにこれほどすごい遺跡があったんだ」、「小さなスコップ(移植ベラ)で丁寧に掘るのは大変そう」、などの声をいただきました。
写真1 作業現場の様子
写真2 見学の様子
写真3 天神谷地遺跡で出土した遺物の一部
写真4 注口土器が3つ並んで出土しました。
7月5日の様子
南側調査区および北側調査区の遺物包含層の掘り下げを継続しています。2m×2mのグリッドを設定して土器の出土状況を確認しています。土器や石を残しながら掘り下げますが、小さな土器片が多いので慎重に進めていきます。10cm程掘り下げると、一面に土器が広がっている様子が確認できます。
写真1 南側遺物包含層掘り下げの様子
写真2 グリッド全体の出土状況
南側調査区からは石製・土製の玉が合わせて5つ出土しました。
写真3 石で作られた玉(直径1.1cm)
北側調査区からは石刀あるいは石棒の柄が出土しました。刃部は折れていますが、破線のように続いたと思われます。
写真4 細かい装飾が施されています(長さ5cm)
5月25日の様子
今週から調査区南東部の調査を行っています。この調査区では柱を立てた跡とみられる穴が多く見つかっています。これらは縄文時代の建物の一部であったと考えられます。
写真1 水色の破線の部分が柱の痕跡です
また、同じエリアの土坑からはほぼ完全な形の土器が出土しました。高さ15cmほどの小さな土器です。土器の上部には透かしが施されています。
写真2 ほぼ完全な形で出土した土器
4月25日の様子
天神谷地遺跡の発掘が始まりました。天神谷地遺跡は南相馬市原町区北部の水田地帯にある、縄文時代後期から晩期にかけての遺跡です。遺跡の南側には、鮭のやな場で有名な新田川が西流しています。
4月17日から重機による表土の除去を行い、今週から作業員さんによる発掘を開始しました。作業は、移植ベラやスコップを使って手作業で地面を掘り下げていきます。乾燥した地面は硬く、小石を多く含むため、なかなか掘り下げられません。
写真1 発掘調査の様子
土器や石器などの遺物が出土したら、遺物の輪郭が分かるように丁寧に土を取り除いていきます。
写真2 遺物を傷つけないように慎重に作業していきます
写真3 縄文土器の破片が集中して出土しました