令和2年度発掘調査情報

後迫B遺跡うしろさくびーいせき

調査中
調査期間
令和2年4月~9月
場所
双葉郡双葉町大字郡山後迫
該当時代
弥生時代、古墳時代後期、奈良・平安時代、近代
調査原因
中間貯蔵施設の建設


後迫B遺跡は太平洋にほど近い低丘陵に立地し、北側には標葉郡衙(しねはぐんが)推定地である郡山五番遺跡や、寺院跡とみられる堂ノ上遺跡などが位置しています。

令和元年度の発掘調査では、古墳時代から奈良・平安時代にかけての集落跡を確認しました。長い期間、断続的に集落が営まれる様子が伺えます。この他、弥生時代の土器や石器が多く出土していることから、遺跡の周辺に当該期の集落跡が立地している可能性があります。

写真1 竪穴住居跡の全景

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写真2 竪穴住居跡のカマドの周りから出土した土器

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写真3 竪穴住居跡の発掘調査風景


4月

 発掘調査を再開しました。近世の塚を発掘調査しています。塚の下には土坑があり、銭貨が出土しています。

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写真4 発掘調査風景

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写真5 近世の塚の断面

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写真6 近世の塚から出土した銭貨(寛永通宝)

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奈良時代の竪穴住居跡を発掘調査しています。竪穴住居跡は深さが約70㎝もあり、遺存状況が良好でした。床面からは土師器の甕や石製の管玉(首飾りの一部)などが出土しています。

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写真1 竪穴住居跡の発掘調査風景

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写真2 竪穴住居跡の床面から出土した管玉

6月

引き続き奈良時代の竪穴住居跡を発掘調査しています。住居跡には煮炊きを行ったカマドの跡が良好な状態でみつかっています。カマドの脇には貯蔵のため掘られた小穴や、煮炊きに使った土師器(はじき)の甕などが出土しています。

写真1 竪穴住居跡カマドを発掘調査する作業員さん。向かって右から2番目の作業員さんがカマドを掘っています。

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写真1 竪穴住居跡カマドを発掘調査する作業員さん。向かって右から2番目の作業員さんがカマドを掘っています。

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写真2 竪穴住居跡の床面を精査しているところです。

 6月9日のお昼休み中に、現場事務所から空を見上げるとスマイルマークが描かれていました(写真1)。これは福島市を拠点に活躍するエアレースパイロットの室屋義秀さんが飛行機のスモークで描いたものです。発掘作業員さんからは歓声があがり、みなさん笑顔になったようです。感動をありがとう室屋さん!

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写真1

 古墳時代後期の竪穴住居跡の床面からみつかったひとつの小穴から、土師器(はじき)の甕が出土しました(写真1)。甕は小穴を埋めた土の上に斜めに置かれるように出土しました。当時の土器の廃棄の仕方が伺われる資料かもしれません。

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写真1

↓のリンクから出土状況の3Dモデルがみられますよ♪

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古墳時代後期の竪穴住居跡に堆積した土を彫り上げ、完掘しました(写真1)。床面の中央は粘土を貼り付けて、沈み込みを防止しています。また、中央には上屋を支える柱穴が4つみつかりました。写真中央奥がカマドになり、その右側には貯蔵のための小穴がみつかっています。

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8月

 丘陵北側の斜面から弥生時代中期後半頃の竪穴住居跡がみつかりました(写真1)。住居跡の平面形はいびつな楕円形で、壁は緩やかに立ち上がるといった特徴が見られ、遺跡内でみつかっていた古墳・奈良・平安時代の住居跡の様相とは異なります。本住居跡の床面は、平坦に整えられています。
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写真1
 
 本住居跡からは弥生時代の土器が出土していますが、土器の底部を意図的に穴をあけた痕跡が認められるものもありました(写真2)。


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写真2(写真上方が底部です)

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 また、ちがう斜面では平安時代の鍛冶炉跡が見つかりました(写真3・4)。緩やかな斜面に平坦な作業場を構築して鍛冶が行われていたようです。作業場床面の小穴の中からは土師器の杯や、鍛冶滓(鍛冶作業の際にでた鉄以外の不純物のかたまり)が出土しています。
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(写真3)

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(写真4)

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ドローンを使って遺跡全体の空中撮影を行いました(写真1)。丘陵頂部には竪穴住居跡が密集して形成されているのに対し(写真2)、丘陵斜面部には木炭を焼いた穴や、鍛冶炉跡が散発的に位置しています(写真3)。調査が進捗するにしたがって、当時の土地利用のようすがみえてきました。

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写真1

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写真2

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(写真3)

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