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古代の福島を明らかにする
−官衙遺跡研究研修の開催−

 古代の福島県は陸奥国の一部で、郡ごとに郡衙(役所)や寺院が造られました。現在これらは遺跡となって、古代の福島県のようすを現代に伝える重要な手がかりの一つとなっています。これらの遺跡は、県や市町村の手によって調査が行われ、その実態が少しずつ明らかにされてきています。またその研究には遺跡の発掘調査だけではなく、全国各地の研究成果との比較検討が必要です。
 まほろんでは、官衙遺跡研究の第一線で活躍し、独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所で平城宮の発掘調査に長年携わってこられた山中敏史先生、磐城郡衙と考えられるいわき市根岸遺跡の調査に携わり、古代の磐城郡を中心とした研究を進めておられるいわき市教育文化事業団の廣岡敏先生、福島県をはじめ古代陸奥国の実態について研究している当館の荒木隆を講師に、官衙遺跡についての研修会を開催しました。この研修には、県内の官衙遺跡の調査を進めている市町村の担当者や研究者が、16名参加しました。
 研修では、講師の先生方がこれまで培ってきた経験や調査成果をもとに、官衙遺跡研究の現状と課題、調査にあたってどのような点に留意しなければならないかなど、有意義なお話をいただきました。研修生からは、今後の調査・研究に生かしたいという声が聞かれました。


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