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「体験発掘ツアー」に行ってきました

 みなさんごぞんじのように、まほろんは、「遺跡」から出土したもの−「遺物」−に親しんでいただく所です。ただ、「遺跡」自体はまほろんに持ってくることができませんから、遺跡の様子は模型でお見せしています。「それでは物足りない」、「実際に遺跡を掘ってみたい」という方々のために、年に一回体験発掘を実施しています。昨年に引き続き、今年も矢祭町教育委員会さんにお世話になりました。お邪魔したのは、岡野田遺跡という、縄文時代中ごろの遺跡です。これまでの調査で、竪穴住居跡や木の実を貯めたとみられる大きな穴などがみつかっています。
 8月31日の当日は、お天気にめぐまれました。岡野田遺跡の調査員さんから説明を受けた後、めいめい移植ゴテを持って「遺物包含層」を掘りました。「遺物包含層」なんていうと難しそうですが、言いかえれば昔のゴミ捨て場です。岡野田遺跡は斜面にある遺跡で、斜面の下の方に当時の”燃えないゴミ”である、割れた縄文土器がたまっていました。石器を作るときに出る、鋭い石の破片もたくさん出てきました。珍しいところでは、魚を捕まえる網に取りつける、石でできたオモリもみつかりました。”燃えないゴミ”も時がたてば貴重な文化財です。参加者の皆さんは4千年ぶりに姿を表した土器や石器を手にとっては、走って私たちに見せにきたり、感慨深げに見入ったりしていました。


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