平成30年度

 おでかけまほろん平田村立小平小学校


 10月11日(木)に、おでかけまほろんを平田村立小平小学校で行いました。6年生22名が、「土器や石器を観察しよう」・「火おこしに挑戦」などの体験をしました。

  1.「平田村の遺跡や文化財について学ぶ」


 はじめに、小平小学校周辺の遺跡について地図を使って紹介しました。平田村では縄文時代の遺跡と、中世の館跡が特に多く、学校の近くにも小平館跡があります。

 戦国時代を中心に、この地域を治めていた武将が戦(いくさ)に備えて築いたと考えられる山城が多数あることをお話しました。
     
   また、縄文時代の遺跡も多数あることをお話しました。そのなかで、あぶくま高原道路の建設に伴って発掘調査された空釜B遺跡からは、縄文時代の土器や石器が見つかっています。

 これらは、まほろんに収蔵されていますが、今回のおでかけまほろんで、平田村に久しぶりの里帰りになりました。
     
  2.「土器や石器を観察する」


 まほろんから持参した、空釜B遺跡の縄文土器や石器、隣接する石川町内の遺跡で見つかった石器などを、実際に観察しました。

 今回観察に使った縄文土器は、いわゆる縄文(縄の文様)だけでなく、二枚貝の縁を使って付けたと考えられる美しい文様が見られました。
     
 


 縄文土器も、その年代や作られた目的によって、さまざまな形があります。

 今回の土器は、底が尖った形をしていたので、「どのように置いたんですか?」という質問がありました。煮炊きに使われた土器なので、恐らく地面に突き刺すように立てて、周りに薪(たきぎ)を置いて火にかけたと考えられます。
     
 


 石器も、矢の先に付けた「鏃(やじり)」や、木を切ったり削るのに使った「石斧」のほか、謎の多い「石棒」も観察しました。

 「石棒」のお話をしたあとは、特に男の子たちは、まじまじと眺めていました。
     
 
 復元した弓矢や石斧にも触れてみました。

 本物の「石斧」や「石鏃」には、木の部分が残っていません。何千年も土の中に埋もれていた間に、木の部分は腐ってなくなってしまうからです。

 遺跡で見つかる石器だけでは、使われていた時の形が分かりにくいですが、各地の出土品や研究から、元の形がどうだったかも分かるようになってきました。
     
   クマやシカの毛皮にも触れてみました。縄文人にとっては、動物の肉は貴重なタンパク源でした。

 クマの毛皮はふわふわして感触がよく、特に人気を集めていました。

     
  3.「火おこし体験」


 続いて、火おこし体験です。

 はじめに、まほろん学芸員が実演して、「まいぎり」による火おこしのやり方を説明しました。

 火おこし体験は、ほとんどの人が初めてだったので、皆さん、真剣にお話を聞いてくれました。
     
 


 やり方を聞いたあとは、2人1組になって、いざ、火おこしに挑戦!

 この日は、あいにくの雨模様。火おこしに大敵の湿気も多かったですが、はたして・・


     
 
 初めは、皆さん、とても苦戦していましたが、次第にコツを覚えてくると、火種をつくるのに成功するペアが続出!

 麻ひもをほぐした火口(ほくち)に火種をくるみ、火ばしにはさんで回して、風を送ると、ポッと赤い炎が・・!
     
 
 残念ながら、時間内に火種ができなかったペアもありましたが、「まほろんに行って、リベンジします!」との声も。

 最後に、全員で記念撮影。また、お会いできるのを、楽しみにしています!