平成30年度

 おでかけまほろん郡山市立大島小学校


 5月16日(水)に、おでかけまほろんを郡山市立大島小学校で行いました。6年生109名が、「土器や石器を観察しよう」・「大昔の道具を使ってみよう」「縄文しおりづくりと縄文ファッション」などの体験をしました。

  1.土器や石器を観察しよう
  〜見る・触れる〜

 今回は、郡山市内の荒小路遺跡や、正直A遺跡などから見つかった土器・石器を中心に、まほろんからお持ちしました。

 まず、グループごとに、本物の土器や石器を観察しながら、その特徴や、何の目的で作られたのか、どのように使われたのかなどについて、話し合いました。
     
   まほろんからは、磨製石斧や打製石斧の復元品、弓矢なども持参しました。
 遺跡から出土した実物の石斧とも見比べながら、実際に手に取って、その重さなどを体感しました。
     
   実物の土器・石器を観察して、その特徴など気づいたこと、それぞれ何の目的で、どのように使われた道具だったのかなど、皆で話し合いました。

 このあと、縄文土器・弥生土器や、古代の土師器・須恵器など、それぞれの時代ごとに、土器の用途や特徴が変わり、暮らしや技術も移り変わっていったことなどを、まほろん職員が解説しました。

 歴史の授業で学んだ内容を、少しでも深められたでしょうか?  
     
  2.大昔の道具をつかってみよう
  〜切る・つぶす〜

 今回は、大昔の道具を実際に使ってみる体験もしました。

 特に、黒曜石のナイフを使って肉を切る体験と、すり石と石皿を使って木の実をつぶす体験では、まほろん職員が、食材を「切る」、また「つぶす」ことにまつわるお話を、スライドを用いて解説しました。

 普段はなかなか聞くことのできない話に、皆さん、真剣に耳を傾けていました。
     
 


 道具を使う体験のために、学校で材料の鶏肉と木の実(アーモンド)を用意していただきました。
     
 
 黒曜石のナイフは刃が鋭いので、ケガをしないように、手袋をして作業しました。

 まほろん職員が、ナイフの持ち方などを説明したあと、いよいよ実際に肉を切る体験をしました。
     
 
 現代人の我々にとっては、肉を切るといえば、金属製の包丁やナイフが当たり前です。「本当に石で肉が切れるの?」と思っていた人も多いはず。

 黒曜石を割ってできる刃先は、非常に鋭く、黒曜石は、刃物に加工する石として、大昔から重宝されていました。

 思っていた以上の切れ味に、皆さん、驚いていた様子でした。
     
   すり石と石皿で、木の実をつぶす体験では、つぶした粉が、石皿のくぼみに集まるように、形が工夫されています。

 どのような食材を、どのように加工するか。当時の人々が、さまざまな経験を繰り返す中で、もっとも理想的な道具の形や作り方を考え、その知識を受け継いできたことが理解できたでしょうか?
     
 
 黒曜石の原石を加工して、道具のナイフにしていく過程がわかるように、加工途中の黒曜石も、皆さんにお見せしました。

 ひと口に「石器」といっても、本当に、奥が深いですね〜・・・
     
  3.縄文しおりづくりと縄文ファッション
  〜作る・着る〜

 縄文時代の衣装を着る体験もしました。

 当時の衣装がどのようなものだったか、当然記録もないので、はっきりしたことはわかりませんが、衣類の素材と思われる植物繊維などが見つかっています。

 そこから、当時の人々が着ていたものについても、さまざまな研究が行われています。
     
 


 縄文ファッションに身を包んで、記念のポーズ!


     
 
 縄文しおりづくりは、土器のもようを拓本で写し取った紙で、しおりをつくるものです。

 今回のおでかけまほろんの記念に、大切に使っていただけると幸いです。