まほろん実技講座
「カラムシコースターづくり」の様子
 平成30年度のまほろん実技講座「カラムシコースターづくり」は、全3回の講座で、第1回は7月7日(土)、第2回は7月14日(土)、第3回は8月11日(土)に実施しました。
 

第1日目 7月7日(土) 刈り取りと「おひき」

 はじめに「古代の畑」でカラムシの刈り取りを行いました。
 あいにくの小雨模様でしたが、職員が刈り取り方の説明をしたあと、前日までに職員が刈り取った分を含め、今年は一人20本程度のカラムシを採取しました。

     
 

 刈り取ったカラムシの茎は、その場で余分な葉や枝を取り去りました。

     
 

 持ち帰ったカラムシの茎は、表皮を取り去りやすくするため、しばらく水に浸しておきます。
 今回は、前日に刈り取っておいたカラムシも使って、茎から表皮を取り去り、繊維を取り出す「苧(お)ひき」を行いました。初めに、職員がそのやり方を説明しました。

     
 

 茎から表皮を剥ぐために、水に浸した茎を二方向に折り曲げて、内部の芯だけを切断します。
 そのあと、表皮と芯の間に指を入れて引っ張ると、スルスルと表皮だけ剥き取ることができます。

     
 

 「苧ひき」は、剥きとった表皮から、一番表面の緑色の部分をそぎ落として、内側の白い繊維だけを残す作業です。
 専用の道具で、根元から先端に向かって、均一に力をかけながら、そぎ落としていきます。

     
 

 白く真珠のような光沢のある繊維は「キラ」と呼ばれ、現在でも、カラムシ織りの産地である昭和村では、よい製品の素材として重宝されます。
 カラムシから「キラ」を取り出すには、熟練の技が求められます。初めて「苧ひき」を体験される参加者も、その難しさを実感していました。

     
 

 取り出した繊維は、第2回目の「糸作り」まで、陰干ししておきました。

     
 

第2日目 7月14日(土) 糸づくり

 第2回目では、糸づくりを行いました。職員が糸の撚(よ)り方について説明をしたあと、前回「苧ひき」した繊維で、各自糸撚りを始めました。

     
 

 糸撚りは、2本の繊維をよじりながら、絡ませていきます。それぞれの繊維をよじる方向と、絡ませる方向を逆にすることで摩擦が生まれ、ほどけにくくなります。皆さん、黙々と作業にあたっていました。

     
 

第3日目 8月11日(日) コースターづくり

 今年度は、越後アンギンの技法により、コースターをつくりました。
 アンギン台にコモツチをつけた10本の縦糸をかけて、これに参加者が前回の講座以降につくった糸を横糸にして、編んでいきます。

     
 

 まずは、職員が越後アンギンの技法による編み方の説明をしました。
 通常のアンギン編みと異なり、横糸を3本用意して、毎回1本飛ばしで、左右で折り返しながら、奇数の縦糸の次は、偶数の縦糸という風に、順に絡ませていきます。

     
 

 絡ませる縦糸の順番を間違えないように、また左右の折り返しをそろえながら、慎重に作業を進めていきます。
 時々霧吹きで糸を湿らせるのも、作業をしやすくするポイントです。

     
 

 次第に手順に慣れてくると、皆さん、黙々と真剣に作業にあたっていました。

     
 

 完成した参加者の作品です。2枚目にチャレンジする参加者もおられました。皆さん、大変お疲れ様でした。