平成29年度

 おでかけまほろん本宮市立白岩小学校


 5月17日(水)に、おでかけまほろんを本宮市立白岩小学校で行いました。6年生32名が、「土器や石器を観察しよう」・「火おこしに挑戦」を行いました。

  1.土器や石器を観察しよう

 まず初めに、まほろんについて、写真パネルなどで紹介しました。
 6年生の皆さんは、4年生の時に、まほろんに来館して、見学したことがあるそうで、よく覚えてくれていました。
 歴史の授業で学習したばかりの縄文時代と弥生時代の暮らしや道具の違いについて、実物や復元品などをお見せしながら、説明しました。
     
 
 まほろんから持ってきた、本物の土器・石器、そして復元した道具や毛皮などに、実際に触れてみました。
 今回お持ちしたのは、本宮市内の高木遺跡から出土した土器や石器が中心です。
 実物の磨製石斧と復元した石斧、石鏃と復元した弓矢を見比べるなどして、遺跡で見つかる遺物から、当時使われた道具の実際の形が分かることを知って、皆さん驚いた様子でした。
 本物の土器も、実際に触れる機会はほとんどないので、どのくらい貴重なものか、興味津々で質問してくれる児童もいました。
     
 
 あわせて、まほろんから持ってきた、大昔の人が着用したと考えられている「貫頭衣」も着てみました。
 素材は麻などの植物素材です。ごわごわした感じが、今の衣服とはかなり違っていたと思います。気分だけでも、古代人になれたかな?
     
  2.火おこしに挑戦

 続いて、火おこし体験です。ほとんどの皆さんは、初めての挑戦です。
 大昔から人間の生活に必要だった火の主な役割について、皆さんに質問したところ、「料理!」、「暖をとる!」、「灯りをとる!」など、元気いっぱいに答えてくれました。
     
 
 まず、舞ぎりという道具を使って、実際に火をおこす方法を、実演しながら説明しました。
 紐が繰り返し棒に巻きつきながら、続けて回転して、火切り板との摩擦で熱が発生していきます。横板の上げ下ろしをする力加減や、速さなど、火おこしを成功させるためには、たくさんの「コツ」があります。皆さん、真剣に聞いていました。
 焦げた粉から煙が出て、火種が生まれる瞬間を目の当たりにすると、歓声が上がりました。
     
 
 いよいよ、2人1組になって、火おこしに挑戦です。この日は天候に恵まれ、湿度も比較的低かったおかげで、成功するペアが多かったようです。
 それでも、初めての経験で、なかなか火がつかないペアもありました。電気もガスもない時代に、火を起こすのに苦労した昔の人々の苦労が、実感できたでしょうか?
     
 
 白岩小学校では、なんと、独自に製作した舞ぎりと火切り板もあるとのことで、少し使わせていただきました。基本的な構造は同じで、少し時間がかかりましたが、焦げた粉から煙を出すことが出来ました。
 まほろんの舞ぎりも、試行錯誤を繰り返して、今の形になっていますが、素材として使う木の硬さによって、摩擦熱の上がり方や、焦げた粉の出方などが、少しずつ変わってきます。
 どうすれば、効率的に火を起こせるか、大昔の人たちも、きっと、試行錯誤を繰り返していたことでしょう。
     
 

 舞ぎりでの着火に成功したペアは、麻ひもをほぐした火口(ほくち)に火種をくるんで、回して風を送り、炎にしました。

 短い時間でしたが、今回の体験を通して、大昔のくらしの一端について知り、少しでも歴史の学習に役立てて頂けると幸いです。