1 真野古墳群
古墳時代の後半、真野川下流域に小規模な古墳が多く築かれます。真野古墳群と横手古墳群です。いずれも円墳が主体ですが、前方後円墳も真野古墳群に2基、横手古墳群に1基存在します。
このうち、真野古墳群A地区20号墳は全長28.5mの前方後円墳で、墳丘のくびれ部に埋葬施設が設けられています。埋葬施設は横穴式石室を模倣し、河原石を積み上げて造った礫槨です。この礫槨の中から国内でも5例しか見つかっていない金銅製双魚佩が、2枚1対で直刀・鉄鏃・鉄斧・轡などとともに出土しています。
金銅製双魚佩は、奈良県藤ノ木古墳で玉纒大刀に伴って出土したことから、刀の飾り金具と考えられています。そして、大和政権が特別な関係にあった豪族だけに与えた物と考えられていることから、真野古墳群A地区20号墳の被葬者は、大和政権と深い関係にあったこの地の首長と考えられます。
真野古墳群A地区 真野古墳群B地区