(2)小野町猪久保城跡

 猪久保城跡は、中世の室町時代前半の14世紀後葉から15世紀前半に築城された最初の居館型の山城です。城跡の2/3の範囲で発掘調査が行われ、平場や堀、柵列、門跡、掘立柱建物跡等が発見されました。掘立柱の建物跡には、この城の主殿と考えられる一番大きな建物跡の他に倉庫や物見櫓と思われる建物跡があり、主殿には、囲炉裏の跡と思われる焼土もありました。この地域の権力者の居館と思われます。
 また、遺物から、新旧2時期の変遷が明らかにされ、特に新しい時期では、各建物跡は火災を受けたと思われる痕跡や火事場整理のための土坑も見つかっています。これは、この城跡がこの地方の権力者の交代に伴って、意図的に廃絶されたことを示していると推定されます。

空から見た猪久保城跡
 
主殿と思われる建物跡