4 古墳時代のムラとまつり

 (1)アサカの古墳タウン

 正直A遺跡がある郡山市の田村地区は、阿武隈川右岸に台地が広がる場所となっています。ここには、国指定史跡の大安場古墳をはじめとした正直古墳群などの古墳群や、大善寺遺跡や正直A遺跡などの代表格の集落跡をはじめとして古墳時代の集落跡が数多くあります。現在は、主に水田地帯となっていますが、古墳時代にはこの地方の中心的な役割を果たした場所と思われます。
 正直A遺跡からは、古墳時代にあったムラの首長の住居と思われる大型の竪穴住居6軒を含む57軒の古墳時代の竪穴住居跡が見つかっています。
 ムラの中からは、このほか、3ヵ所の水に関係する農耕関係のマツリを執り行ったと思われる祭祀跡や粘土採掘坑、マツリに使った道具を作った跡、貯蔵穴と思われる丸い穴、鍛冶の跡などもみつかり、この時代の拠点的なムラを考える上で貴重な資料となっています。