(4)近世の窯跡
小野町の鍛冶久保遺跡では、近世の窯跡が調査されています。窯跡は、トンバイ(レンガ状の壁材)を積んで作られており、鉢・皿・壺・擂鉢などの陶器類が見つかりました。また、他にトチン・ハマ・サヤバチなどの窯道具も見つかっています。
窯の構造や窯道具の形などから、肥前陶器系の生産技術からの影響も考えられ、その時期は19世紀前葉から中葉ころと推定されます。
成形された陶器類は、十分乾燥させた後、窯詰めされて焼かれます。窯詰め時には、陶磁器類を保護するために、以下のような道具が使われました。
横から見た窯のようす
サヤバチ・・製品を保護するために入れられた円筒形の鉢状の道具
トチン・・・製品を乗せて窯の底面等から離して焼くための道具
ハマ・・・・製品を重ねて焼く場合に、その溶着を防ぐために間に入れる道具