2 川辺の縄文集落 −縄文時代−

 (1)ミハルの石のムラ

 三春町の国天然記念物「滝桜」の周囲には三春ダムの人造湖「さくら湖」(面積約2.9平方キロメートル)が静かなたたずまいを見せています。三春ダムは1998年に完成し、付近の市や町の水源として、また治水施設として私達のくらしに大きな役割を果たしています。
福島県教育委員会は1988年からダム湖の水没地帯にある10カ所の遺跡の発掘調査を行いました。その結果、縄文時代から江戸時代にかけてこの地に住んだ人々の生活の痕跡が明らかになりました。とくに縄文時代では今から約4,000年前を中心とする時期の大きなムラの跡が、大滝根川やその支流のすぐわきに立地していました。集落が営まれ、住居跡が多数見つかっています。展示ではこのうち、越田和遺跡と柴原A遺跡を取り上げ、ムラのようすを紹介します。
 この2つの遺跡からは、屋内に石を敷いた住居跡や石を様々な形に集めたり、列状に並べたりしたモニュメント、石を配置したお墓が見つかっており、当時の人々が石に対して特別な意識をもっていたことをうかがわせます。