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　越田和遺跡の住居跡は44軒見つかっています。古い時期の住居跡には複式炉が造られました。炉の造りや柱穴の配置が共通しており、住居を作る際の強い約束事があったようです。新しい時期になるとまるで住宅展示場のようにバラエティーのある住居が作られるようになります。
　越田和遺跡の住居跡は、建築の方法などから下ように５種類に分けられ、住居を作る手間（コスト）にも大きな差があることがわかります。
　柄鏡の家や石床の家は関東地方に起源があり、同地方との交流が強まった結果、このムラに作られるようになったのでしょう。住居のタイプの違いは、住んだ人達の何らかの違いなのか、建物の使い分けなのかは今のところ明らではありません。いずれにしても、越田和遺跡の住居跡はこの時期に、ムラに住む人々に大きな変化があったことを物語っています。


　Ａ　伝統の家
　円形に掘りくぼめた半地下式の住居。その中心線上に、土器と石でデザインした美しい炉をレイアウトし、３本の主柱で屋根を支える標準仕様のすまいです。 		　

　Ｄ　石床の家
　住居の床をストーンフローリングで「柄鏡の家」の形に仕上げた家。多量の石を選び、運んで、タイルのように並べる、最も手間をかけています。半地下式と平地式のタイプがあります。


　Ｂ　ゆとりの家
　円形に掘りくぼめた半地下式の住居。シンプルな石囲いの炉を壁際に寄せて造ることで、奥に広いスペースのある機能的なたたずまいとなっているのが特徴的です。 		　

Ｅ　バリアフリーの家　
　屋根を支える柱の穴だけを掘るコストダウンの家。家の内と外との段差がないのが特徴です。
　シンプルな造りの炉とあわせ、無駄のない落ち着いた雰囲気があります。
　四角形と六角形の２タイプから選べます。

　Ｃ　柄鏡の家
　半地下式の円形部分に柄鏡の柄のように張り出した出入口を取り付けたすまい。炉は石囲炉を採用し、出入口と家の中の境界に土器を埋めるのが標準仕様です。