(2)まほろん土偶のふるさと

 ご存知まほろん土偶のふるさとが、荒小路遺跡です。この遺跡は、郡山市の南東部を流れる谷田川から約100m南に離れた段丘の上に立地する縄文時代後期前半(今から約3400年前)のムラの跡です。住居跡・お墓や配石遺構などとともに多量の遺物が発見されました。住居跡は円形の半地下式のものだけです。
 お墓には地面を掘り窪めて、遺体を埋めただけの単純な墓穴のほかに、墓穴の底に石を並べたもの、さらに土器を置いたもの(24号土坑)などのバラエティーがあります。
 配石遺構は11カ所が確認されており、中でも1号配石は4つの大きめの石を3方向に置いた小規模なものですが、配石の中央部分に、大型の石棒を入れた深鉢型土器を埋設している珍しい例です。
 生活道具は各種の石器が豊かで、とくに粘土や石で作った網に付ける錘が多量に発見されました。谷田川での網漁が盛んであったこと示しています。また、まじないの道具では、土偶や動物形の土製品が出土しています。


竪穴住居跡

石棒の入った土器

お墓

まほろん土偶

土錘