2019年 第1回館長講演会

「大正11年、ピラミッド頂上の日章旗
 −ツタンカーメンのミイラが甦った時代−」


 令和元年5月25日(土)、菊池徹夫館長による標記の講演会を開催しました。
 エジプトの有名なツタンカーメン王墓が、H.カーターによって発見されたのが1922(大正11)年11月4日。そのわずか数日前に、箱根丸での渡欧の途上、ギザのピラミッドを訪れていたとの記述が、館長の祖父の日記に残されていました。このエピソードを手掛かりに、1920年代の世界と大正期の日本の出来事や社会情勢・文化思想の変化を比較し、日本の近・現代史を解説しました。

 


   また、明治の後の大正と、昭和の後の平成には、「遠くの戦争」と大災害という類似点が見られ、ロマンやデモクラシーで語られがちな大正が、やがて戦争の昭和に移行したように、夢のテクノロジーの平成に続く令和が荒く暗い時代にならないようにしたい、と語りました。そして、広い視野から歴史をとらえ、現代と未来のために過去を学ぶことの大切さを強調しました。