まほろん実技講座
「古代の染色にちょうせん」の様子

  平成27年8月8日(土)に、まほろん実技講座「古代の染色にちょうせん」を実施しました。午前の部と午後の部に、あわせて18名の方が参加し、まほろんで栽培しているタデアイを使った生葉染めを行いました。
 
1.絹布に絞りをつける
 講座は、輪ゴムやビー玉などを使って、絹布に「絞り」の模様を付ける作業から始めました。染め上がりを想像しながら、自由に「絞り」をつけていきます。
 「絞り」をつけた布は、染まりやすくするために、ぬるま湯に浸しておきます。
  2.タデアイを刈り取る
 このあと、まほろんの「古代の畑」へ移動し、生葉染めに使うタデアイの刈り取りをしました。
 今回は、小学生以下の参加者も多く、特に小さいお子さんには、実際に畑に生えている植物から布が染められることが、驚きだったようです。
     
 
3.タデアイの茎から葉だけを取る
 刈り取ったタデアイは軽く水洗いをして、ゴミやほこりを洗い落とします。
 このあと、不要な茎の部分と枯れ葉を取り除き、染色に使う葉だけを不織布の中に入れます。
 

4.タデアイの葉を刻む
 タデアイの葉には、インディカンと呼ばれる物質が含まれていて、これが空気に触れて化学変化を起こすことで、インディゴという青の色素に変わります。
 色素が水に溶け出しやすくするために、葉を細かく刻みます。
 

     
 

5.染液をつくる
 ボールに水を加え、不織布の上から、刻んだ葉を水の中で揉むと、色素が水に溶け出してきます。
 初めは葉に含まれる葉緑素で液は緑色ですが、だんだんと濃い緑に変わり、さらに空気に触れることで、青っぽい色に変化してきます。トロトロの状態になったら染液の完成です。
 

6.染液に布を浸す
 いよいよ、絹布を染液に浸して染めていきます。初めは布を染液に浸けながら上げ下げを繰り返し、その後に浸け置きします。こうして空気に触れることで、溶け出した色素が変色し、徐々に青みが増していきます。

     
 
7.日光に当てて発色させる
 染めた布は軽く水気を切って、外で日光にさらすことで、さらに発色させます。この日は、夏の日差しがさんさんと降り注ぎ、生葉染めには絶好の天気となりました。
 さらに染液に浸してから、もう一度、日光にさらす作業を繰り返すと、生葉染め特有の「縹(はなだ)色」(薄い青色)に染まっていきます。
 

8.染め上がりの様子
 「絞り」を外すと、染まり具合が、はっきりと見えてきました。このあと、絹布を水洗いして、完成です。
 皆さん、思い思いの「絞り」模様で染め上げた絹布に、大変に満足そうでした。