まほろん実技講座
「カラムシから布をつくろう」の様子
 まほろん実技講座「カラムシから布をつくろう」は、全3回の講座で、第1回目は平成26年6月28日(土)、第2回目は7月12日(土)、第3回目は8月30日(土)に実施しました。
 

(1)刈り取り〜苧引き[6月28日(土)]

カラムシの刈り取り

 雨の降る中、参加者の皆さんは「まほろん古代の畑」で、約2mに伸びた親指ほどの太さのカラムシを刈り取りました。その後、葉を茎の先端からしごいて落としました。

     
 

カラムシの茎から表皮を剥ぐ

 カラムシの茎は、皮を剥ぎやすくするため、水を張った容器に約2時間浸しておきました。その後、茎を半分に折って皮を剥ぎ取りました。
 剥いだ皮を板の上に置き、金属の板で表皮を取り除くことで、半透明状の繊維を取り出しました。

     
 

取り出した繊維

 参加者の皆さんは、苧(お)引き作業を繰り返すごとに、段々と上手になっていきました。講座が終了する頃には、皆さん、職人のような手つきに変わっていました。

     
 

(2)糸作り[7月12日(土)]

糸についての説明

 これより製作する糸の太さの違いによって、次回製作する布がどのようになるか、細い糸と太い糸の2種類の見本を見てもらいました。
  続いて、職員がカラムシの繊維から糸の紡ぎ方の実演を行いました。

     
 

糸づくりの様子

 カラムシの繊維を水に浸し、柔らかくなった繊維を必要な幅に細く裂きます。この繊維に撚りをかけ、繊維と繊維を合わせて1本の糸にしていきます。

     
 

糸づくり

 糸づくりでは、繊維に撚りをかけやすくし、撚りが戻りにくくするために文鎮を重しに使用します。その際、長さが足りなくなったところで、繊維を継ぎ足しながら、糸をつくっていきます。

     
 

(3)布づくり[8月30日(土)]

アンギン台のコモツチの取り付け方

 アンギン編みには、径糸(たていと)にコモツチと呼ばれる重しを取りつけます。この取り付けが出来ないと、アンギン編みの際に、径糸が足りない時やコモツチが外れたときに困ります。このため、本講座では、コモツチの取り付け方も説明しています。

     
 

アンギン編み

 アンギン台を使用して、越後アンギン編みを行いました。この編み方は、通常のアンギン編みと異なり、緯糸(よこいと)を3本使用し、完成品がアンギン編みに比べて、丈夫につくられます。
 参加者の皆さんは、作品がいびつにならないように、編み方が均一になるように慎重に編んでいました。

     
 

完成作品

 今回の参加者の作品は、多くが写真のような長方形状になりました。編みあげた径糸の端部を結んで完成になります。
 出来ばえは、丁寧なつくりで形がよく整い、最高でした。