まほろん実技講座
「縄文土器づくり上級編」の様子

 平成27年1月31日(土)、2月1日(日)、3月7日(土)の3回にわたって、まほろん実技講座「縄文土器づくり上級編」を実施しました。
 参加者の皆さんは、当館所蔵の縄文土器の中でも、複雑な形の土器を見本とし、文様づけ、野焼きといった、土器づくりの一連の作業を体験しました。
 

1.事前説明

 講座の初めに、まほろん職員が縄文土器の歴史や、つくり方の手順、ポイントなどを参加者に説明しました。

 

2.形づくり(下半部)

 
粘土紐を重ね、下半部から作っていきます。選んだ土器によって、形や厚さなどが異なっているので、見本とする土器をしっかり観察しながら作っていきます。
 つなぎ目を指でナデて、しっかり密着させながら積み上げていきます。

     
 
3.形づくり(上半部)

 縄文土器には上半部に重厚な装飾がなされているものがあります。
 経験者の方々でも、「この形を作り出すのが難しい。」と、かなり苦労していました。
 どうしてこんなに複雑で、用途に直接関係なさそうなものをつけたんでしょうか、それが謎です。

  4.文様づけ

 翌日は、縄文や細い棒状の工具などを使用して、土器表面に施されている文様を加えていきます。
 「この文様にはどんな意味があったのだろう…。」
 縄文土器の文様は、その当時の流行を表し、時期によって異なります。写真の土器は今から約4,500年前のもので、新潟県の土器の影響を強く受けた土器であることがわかっています。
 

     
 
5.野焼き@
 

 まずは、土器を火の周りで温めて、粘土内部の水分を抜いていく「あぶり」を行います。
 この「あぶり」がどれだけ丁寧にできるかが、割らずに焼き上げるポイントです。底面まで、しっかりあぶります。

  6.野焼きA
 

 あぶりをしっかり行ったら、火の中に土器を入れ、薪をくべて徐々に火力を上げていきます。薪の炭素が、土器表面に吸着し、黒色に変っていきます。

     
 
7.野焼きB
 

 最後は、全体を炎で包み、高火力で焼き上げます。「すごい火柱!!」温度は700℃以上に達し、薪を追加するのも一苦労です。
 最後の薪を追加後、燃え尽きるまで約30分、焼き上がりが楽しみです。

  8.縄文土器が完成!!
 

 焼き上がりました!!@の段階では白っぽかった土器が、赤っぽく変わっていますね。 
 3回にわたって行ってきた土器づくりでしたが、ついに完成しました。出来はどうだったでしょうか?
 完成した縄文土器を見て、触れて、少しでも、縄文人の気持ちを感じていただけたなら幸いです。