まほろん実技講座
「古代の印章をつくろう」の様子

  平成24年12月15日(土)に、まほろん実技講座「古代の印章をつくろう」を開催しました。参加者の皆さんは、自分でデザインした世界に一つだけの印章づくりに挑戦しました。
 

1.デザインを描く
 学芸員が印章の歴史などについて説明した後、参加者の皆さんは早速、印章のデザインを描きました。自分の名前を篆書(てんしょ、※中国で生まれた古代文字)体で挑戦する方が多かったです。

 

2.印面(いんめん)を整える
 印面(いんめん)は押印する箇所ですから、当然平らでなければいけません。紙ヤスリで削りますが、この平らに整える作業が結構難しいのです。偏りができないように、力を入れずに石の重みを利用して円を描くように削るのがポイントです。

     
 
3.製作開始
 印面にデザインを転写したら、いよいよ彫り始めます。印章をつくるのは、とても細かい作業です。そのため、皆さん会話をせずに集中して行っていました。
 

4.陰刻(いんこく)の作成
 文字の部分を彫り抜いてつくる印章を「陰刻(いんこく)」といいます。「陰刻(いんこく)」は古代においては一般的な印章で、福岡市志賀島で発見された金印も「陰刻(いんこく)」です。
 彫る際は、間違って文字以外の部分を彫ってしまわないよう、細心の注意が必要です。

     
 

5.陽刻(ようこく)の作成
文字の周りを彫り抜いて、文字の部分を残す印章を「陽刻(ようこく)」といいます。現在の印鑑の主流です。「陰刻(いんこく)」と比べると、彫る部分が多く、こちらも大変な作業です。

 

6.試し押し
 大体彫り終わったなと思ったら、試し押し!緊張の瞬間です。実際に押印してみると、もう少し調整した方がいい部分が明瞭にわかります。何回か微調整をして、納得の行く押印ができたら印章の完成です。

     
 
7.記念写真
 ほぼ同時に完成した6名の方で、印章を持って記念撮影!
 皆さん口々に「楽しかったわ♪」、「また作りたいね。」などと話していました。また、「家でもう少し彫って、さらに満足の行く印章に仕上げます。」という方もいました。
  8.皆さんの作品
 参加者の皆さんには、お帰りになる前に、まほろん保存用として押印していただきました。いずれも素晴らしい力作です!