「縄文土器づくり上級編」の様子

 平成24年2月4・5日(土・日)に、まほろん実技講座「縄文土器づくり上級編」を行いました。15名の方が参加し、2日間かけて、より本物に近い土器をつくることを目標に行いました。

  1.土器を選ぶ

 講座は、まほろん収蔵の本物の縄文土器を見本として行います。まずは9点の縄文土器から、各自見本とする土器を選びました。
 選んだ理由は、「文様にひかれました♪」、「一目ぼれです!」等々。みなさんそれぞれお気に入りの土器を選び、創作意欲が湧いてきました。
     
 

2.形をつくる

 見本の縄文土器(天栄村桑名邸遺跡出土)をテーブルに置いて、土器づくりの開始です。
 土器づくりは、最初に丸めた粘土を押しつぶして器の底とします。つぎに、粘土のひもをつくり、それを底の上に積み上げ、つなぎめを指でなでてきれいにします。その後は、粘土ひもを積み上げ、つなぎ目をきれいにするという作業の繰り返しです。
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  3.装飾をつける

 大体の形ができ上がったら、装飾をつけていきます。こちらの見本は、本宮市高木遺跡出土の縄文土器。この土器は、4つの取っ手のような装飾があり、さらに、そのうちの2箇所には注ぎ口がついています。
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4.文様をつける

 装飾もつけ終わったら、いよいよ文様を入れていきます。文様は、縄を転がしたり、細い粘土ひもを貼りつけたり、半分に割った竹で線を描いたりしてつけていきます。もちろん、見本の土器の文様をよ〜く観察することは欠かせない大事な作業です。こちらの天栄村桑名邸遺跡出土の縄文土器は、今回の講座で一番人気で、5名の方が挑戦しました。
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5.最後の微調整

 このかわいい形の縄文土器は、 国見町川原遺跡から出土したものです。今回の見本とした中では小ぶりですが、忠実に形をつくるのはなかなか大変です。文様をつけた後も本物に近づけるべく微調整を行いました。
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6.土器の完成!

 微調整が終了したら、いよいよ完成です!写真の土器は、 国見町川原遺跡から出土した注ぎ口がついた縄文土器です。焼くと1割ほど縮むため、少し大きくつくっていただきました。それにしても本物そっくりの素晴らしい土器です。
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※完成した縄文土器は、陰干しでじっくり乾燥させ、まほろんの陶芸窯で焼いて完成です。