「土器の野焼き」の様子

 平成21年3月14日(日)に、「土器の野焼き」を行いました。実技講座「土器づくり上級編」(実施日:1月16・23日)や、体験活動室メニュー「土器づくり」(実施期間:1月19日〜1月31日)でつくった土器を一緒に焼きました。全て無事焼き上がり、土器を受け取りに来られたお客様は、笑顔でお帰りになりました♪

 

 

1.‘あぶり’の作業と地面の乾燥
 土器はいきなり火の中に入れるのではなく、最初は火の周囲に置いて、ゆっくりと土器の温度を上げていきます。この作業を‘あぶり’といいます。全面が火に当たるように、回転させます。2時間じっくり行いました。
 また、‘あぶり’のための火焚きは、火床となる地面の乾燥も兼ています。というのも、地面に水分が含まれていると、土器が割れる原因となるからです。

  2.オキをかき分ける
 土器が素手で触れない位熱くなったら、いよいよ火床に並べる準備です。燃やしていた木材を一度全てオキにして、それらを火床の周囲にかき分けます。
     
 

3.土器を火床に並べる
 火床に土器を並べていきますが、これが結構大変な作業。慎重に土器を置いていきますが、時間を掛け過ぎると、「あっちっち!」。足の裏や体が熱い〜。
  4.‘あぶり’の作業の継続
 土器は、写真手前に小型、奥に大型のものを置きました。二度目の‘あぶり’は、周囲で木材を燃やすことにより、土器全体の温度を上げていきます。
     
 

5.火を徐々に強くする
 二度目の‘あぶり’は2時間50分ほど行いました。時間をかけて徐々に火の勢いを強くしていきます。急激な温度変化は、土器が割れる原因となるからです。最後には、全ての土器の表面が黒く熱変化していました。
  6.本焼きの作業
 タイミングを見計らって本焼きに突入!木材を積み重ねて、土器全体が隠れるように完全に覆います。ものすごい熱(約500〜600度)で近寄れません。後は土器が無事に焼き上がるのを待つだけです。
     
 

7.本焼きの経過を見る
 土器が割れるか否かは、この本焼きにかかっています。割れる音はしていないのですが、心配は尽きません。途中、燃える木材の隙間から土器の様子を伺います。「大丈夫かな・・・、割れてはいないようだな。」
  8.姿を現した土器たち
 本焼きも終盤になると、土器の顔が見えてきます。表面の色合いから良く焼けていることがわかります。ここまで無事なら、もう割れることはないでしょう〜。
     
 

9.焼き上がり
 一つの土器も割れることなく、焼き上がりました。担当者一同、ほっと胸をなでおろしました。
 焼き上がった直後は、土器はかなり熱くなっています。素手でつかめるまで自然に冷めてから、土器を受け取りに来たお客様にお持ち帰りいただきました。
 

10.記念撮影
 今回焼き上がった土器のうち、土器づくり上級編でつくった土器を中心に記念撮影を行いました。土器は焼き上がってこそ本当の完成です。