まほろん実技講座
「奈良時代の須恵器づくり」の様子
 平成21年10月4日(日)に、まほろん実技講座「奈良時代の須恵器づくり」を実施しました。須恵器(すえき)は、高温(1,200度)で焼かれた「やきもの」です。本講座は、まほろんで初めて実施する講座で、8名の皆さんがロクロを使った器づくりに挑戦しました。
 

1.須恵器について学ぶ

  講座でつくる須恵器について、まほろんに収蔵している実物の資料を見ながら学びました。須恵器だけでなく、須恵器より低温で焼かれた‘土師器(はじき)’も手に取って、比較してもらいました。

     
 

2.須恵器の形をつくる

@今回は、お皿のような形の器をつくります。最初に、粘土を丸めてボール状にしたものをロクロの中央に押しつけて、厚さが約1cmになるように伸ばします。ロクロを回しながら竹串で縁を切り取り、きれいな円板にします(写真右)。これが器の底になります。その後、粘土で紐(ひも)をつくります。

     
 


A円板の縁に竹串で刻みを付け、その上に粘土紐を貼り付けます。指で押しつけて、底の粘土ときちんと接着します。粘土紐は、目標の高さまで重ねていきます。

     
 

3.須恵器の形を整える

@重ねた粘土紐を、ロクロを回しながら形を整えます。その後、‘コテ’という道具を用いて、底の表面の凹凸をなめらかにします。みなさん、なかなか上手です♪

     
 


A縁の部分は、なめし皮でなめらかに整えます。器の良し悪しを決める重要な作業です。手づくり感を出したいという方が多く、風合いを出すのに苦労されてました。

     
 

4.作品の完成

  ロクロからはずしやすいように、底を糸で切り離して講座は終了です。このまま生乾きの状態で保管しておき、後日、高台を削り出して形が完成します。
 高台を削り出す作業は、大変難しい作業ですので、今回は職員が行います。完成をお楽しみに!

     
 なお、完成した作品は乾燥させ、以下の日程で窯焼きします。
 
★奈良時代の須恵器の窯焼き

日時:10月25日(日)
    10:00〜15:00
※どなたでも自由にご見学できます。
※窯は、まほろん敷地の南西部にあります。
       窯の焼成実験の様子