炭火で熱した鉄をトンテンカン!
平成20年11月1・2日(土・日)、まほろんイベント「古代の鍛冶体験」を行いました。炭火の中で鉄を赤らめ、それをトンテンカン叩いてペーパーナイフを作ってみようという試みです。二日間で32人の方々に体験していただきました。材料は、去年の鉄づくりでできた51kgの鉄を使いました。
1.開会式のようす 二日とも、とても良い天気に恵まれました。二日目にはNHKの記者さんが来られ、当日夕方のニュースで放送されました。 |
2.見本と素材 今回作るペーパーナイフは、泉崎村観音山北横穴墓から出土した蕨手刀(柄がワラビのような形をした刀)をモデルにしました。 |
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3.デモンストレーション 今回ご指導いただいた刀匠・藤安将平さんによる模範作業。叩くリズムも心地よく、とても簡単そうに見えますが・・・。 |
4.火造り(ひづくり)(1) 鍛冶炉の中に、“てこ棒”につけた素材を入れ、赤らめます。あまり長い時間入れておくと鉄が溶け出してしまうので注意!!手差し鞴(ふいご)で風を送ります。 |
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5.火造り(ひづくり)(2) 赤くなったら金床(かなとこ)の上にのせ、金槌で叩いてペーパーナイフの形を作ります。しかし、叩くたびに思わぬ形になっていくことも、ままあること。難しい・・・。 |
6.整形(1) 万力で固定し、ヤスリで削って形を整えます。 |
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7.整形(2) センという道具でナイフの平らな部分を整え、さらに刃を付けます。うまく削ると、カンナをかけたように平らになります。 |
8.仕上げ 紙ヤスリを使ってピカピカに仕上げます。柄にカラムシの糸を巻き付けて、完成です。ペーパーナイフは、まほろんアテンダント手づくりの袋に入れて、お持ち帰りいただきました。 |
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9.炭割り 空いている時間には、鍛冶炉で使う炭を細かく割る作業も体験していただきました。この作業をずっとしていると、炭の粉で鼻の穴が真っ黒になります。 |
10.公開鍛錬(1) 最後に、藤安さんの鍛錬作業を見学しました。十分に赤めた鉄を大槌で叩いて伸ばし、折り返しては叩いて伸ばし、の繰り返しです。 |
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11.公開鍛錬(2) 参加者にも大槌を振るってもらいました。8kgもある大槌、振りかぶるのも大変なら、金床の上に正確に打ち下ろすのも大変。うまく打てるようになるのに3年はかかるそうです。 |
12.残っていたもの 金床の周りには、薄くはがれた鉄片が。これは鍛造剥片(たんぞうはくへん)といって、遺跡から見つかることもあるんです。鍛冶炉の中には椀形滓(わんがたさい)と呼ばれる特有の鉄滓(てっさい)も残っていました。 |
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