特別体験プログラム「鉄器づくり」のようす

 平成18年11月26日・27日(土・日)に当館の野焼き場と体験学習館にて、総計24名のみなさんが鍛冶での刀子(とうす:古代のナイフ)づくりに挑戦しました。当日は、当館の鉄作りをご指導いただいている福島市の藤安将平刀匠らにご指導いただきました。出来た刀子はまほろんで保管して、体験学習等で使う予定です。

1 刀匠によるデモ
 先ず、鍛冶による成形方法について、刀匠自身によるデモンストレーションが行われました。ふいごには手差しふいごを用いています。
2 鍛冶炉で熱せられた鉄
 鍛冶炉にふいごで下から風を送ると、1000度以上の高温になり、鉄も黄色味を帯びた赤い色に変わります。鉄の材料は昨年の鉄づくりで作ったものです。
3 鍛冶に挑戦
 小学生もハンマーを振り上げて鍛冶に挑戦です。刀匠の指導の下、鉄の板を小刀の形に叩き延ばしていきます。

4 ヤスリで形を整える
 鍛冶で形を整えたものを「セン」や「ヤスリ」を使って、さらに形を整えていきます。

5 鞘(さや)を作る
 二つに貼りあわせたホウの木の板の角を小刀や紙ヤスリを使って落として、鞘の形に整えていきます。
6 鞘の完成
 各自の銘を入れた鞘の完成です。この後、当館職員が刃が入るように加工し、漆を塗って完成となります。
7 焼き入れ前に土を塗る
 ヤスリで形を整えた刀子に泥状の土を塗りつけます。刃部にごくうすく棟の部分に厚く塗って、炉に入れた時に温度差が出るように調整し、焼きいれます。

8 焼きいれ
 炉に小刀を入れて、熱し具合を確認し、丁度いい色(温度)になった頃合を見計らって、水に一気に入れます。急冷した温度の高い刃部は硬くなりますが、まだもろいので、もう一度弱く熱して水に入れます(焼き戻し作業)。

9 砥ぎを入れる
 土を落とした後、砥ぎを入れます。すると焼きいれた部分の波紋がきれいに出ました。
10 参加者の作品
 焼きいれの工程は、専門家の藤安刀匠にまかせるので、その前の工程で一応の出来上がりです。みなさん、うまく仕上がり、大満足だったようです。