古代の機織り具

1 経巻具(たてまきぐ)
 経糸を巻く織り手から遠い方にある部品で、柱などにくくりつけて、機織り具を固定する。

2 布巻具(ぬのまきぐ)
 経糸を巻く織り手側の部品で、出来上がった布を巻いていく。

3 中筒(なかづつ)
 綜絖具と一緒に上糸と下糸を上下に入れ替える部品で、立てることにより糸が分離する。

4 綜絖具(そうこうぐ)
 上糸と下糸を入れ替える部品で、中筒を寝かせてた状態で上に引くことでで糸が分離する。

5 緯打具(よこうちぐ)
 横に渡した緯糸(よこいと)を詰める部品

6 緯越具(よここしぐ)
 経糸の間に緯糸を左右に渡す部品

7 腰あて(こしあて)
 織り手の腰にあてて、糸を張った状態に保つ部品

<織り方>
1 経巻具のひもをを柱等に縛り、腰あてを腰にあてて機織り具を固定する。
2 綜絖具を持ち上げそのスペースに緯越具を入れて緯糸を渡す。
3 綜絖具を離し、中筒を立ててそのスペースに緯打具を入れて手前に引き、緯糸を詰める。
4 緯打具をはずし、そのスペースに緯越具を入れて緯糸を渡す。
5 綜絖具を持ち上げそのスペースに緯打具を入れて手前に引き、緯糸を詰める。
2〜5の繰り返しで布を織り上げていく。

[参考資料]
・「弥生の布を織る」竹内晶子 東京大学出版会 1989
・「石川県埋蔵文化財センターホームページ」http://www.ishikawa-maibun.or.jp/