〈縄文時代〉
 郡山市荒小路遺跡1号住居跡をモデルとした。時期は縄文後期の加曾利B1式期である。直径5mほどの不整円形のプランで、北東部に入り口施設と思しき2条の掘り込みがある。炉はほぼ中央にあり、地床炉である。入り口と反対側ほぼ1/2を復元しているが、スペースの関係で60%に縮小した。プランが円形であることから他のブースのように三角形のスペースをとることができなかったためである。主柱穴は4本と考えられ、内2本を復元部分に取り込んだ。よって内部は極めて狭いものになってしまった。屋根材はカヤにすると散らかりまた燃えやすいため、クリの皮を用いることとした。近年県下の縄文時代竪穴住居が土葺きであったとの見解も一部で示されているが、これまでの発掘調査の成果から類推すると多くの遺構が該当するとは言えない状況であるため、植物質の素材を用いていたと仮定して復元した。土留めは割截材を用いて細木で固定した。部材の結縛はフジ蔓を用い、一部アサ紐を使った。
 復元食器は、住居の時期とは異なるものの器種が豊富な縄文後期の深鉢、注口土器のほか、漆塗りの木製品を製作した。料理は、季節を秋に設定し、深鉢ではイノシシ、カモ肉、クリ、キノコ、トチ団子の入った煮物を表現し、他にクリ、クルミ、エゴマ、シカ肉、ヤマブドウを混ぜたクッキー状の食べ物、ヤマブドウ酒、サケの薫製を作った。
 道具類の復元は、石斧、弓矢、釣竿、石槍、布編み具等を展示した。
 このブースは造作の都合上構造壁が背景に見えてしまうため、クリ林を中心とした「縄文の森」を背景画として描いた。写実的に描いた場合、色彩的にうるさい表現となるためセピアカラーで統一した。
 実物資料は、器種の豊富さから磐梯町角間遺跡の縄文後期土器(宝ヶ峯式期)を選定し、他に三春町芝原A遺跡の注口土器(堀之内U式)を展示している。

<縄文時代>ブース
郡山市荒小路遺跡1号住居跡
<縄文時代>ブース設計 <縄文時代>の食卓