まほろん通信5号 1 2 3 4ページ

体験学習

第2次「まほろん探検隊」発足

 5月12日の土曜日、「まほろん探検隊」の開始式が行われました。今年の探検隊員は、2期生になります。近所の小学校5・6年生を中心に、17名の子供たちが集まってくれました。メンバーの大半は,まほろんの「常連」たちです。いつもはヤンチャな「常連」たちも、藤本強館長から探検隊の任命書を手渡されるときは、緊張した面もちでした。
 一回目は2日間に渡り、2kgの粘土を使って小さな 縄文土器を作りました。粘土に砂を混ぜてよく練ることや輪積みの方法、縄目模様の付け方など、土器作りに関する基本的なことを体験しました。各自が自由にイメージした「縄文土器」なので、形はまちまちです。模様の方も、ハートマークがあったりまほろんマークが入っていたり、謎の暗号が彫りこまれていたりと様々でした。
 6月に行われた2回目の探検隊では、5kgの粘土を使って前回よりも大きな縄文土器を作りました。今度は本物の縄文土器を目の前に置いて、その土器そっくりに作ることを目標にしました。土器が大きいので、途中で下のほうが崩れてきたり、思ったような形にならなかったりと、隊員たちは悪戦苦闘していました。
 前回より随分それらしい土器になりましたが、思い思いの土器を作るのとは、勝手が違うことを身にしみて感じたようです。隊員たちが作った土器は、7月13日に 焚火で焼くことになっています。うまく焼きあがったら、10月の縄文料理づくりに使う予定です。

投槍具をつくろう

 6月15日(土)に、槍を遠くまで投げることのでき る道具「投槍具(とうそうぐ)」を作って遊びました。投 槍具は日本の遺跡からはみつかっていませんが、ヨーロッパでは氷河期のものがみつかっています。オーストラリアや北極圏の先住民は最近まで狩りに使っていました。


<投槍具を使って槍を投げる>

 

 投槍具はうまく使うと、手で槍を投げたときに比べて、5倍くらいは遠くまで飛び、その威力は絶大です。と言ってもおおげさな道具ではありません。40pくらいの棒のはしっこに、ヤリのお尻をひっかけるカギが付いているだけのものです。今回は杉の板材をカッターで削って作りました。槍のほうは篠竹の先に釘を入れガムテープを巻いて重くしています。
 できあがった人から、広場に出て槍を投げてみました。投槍具は使い方も単純です。投槍具にヤリをひっかけたらボールを投げるように振り下ろし、タイミングよく槍を離します。投槍具の長さの分、腕だけで投げた場合よりも槍にかかる遠心力が大きくなり、遠くまで飛びます。ただ、槍がうまくひっかからないとぜんぜん飛んでくれません。手で投げた方がよいくらいです。なれ てくるとみんな,音をたてて槍が飛ぶようになりました。何回も槍を投げては 走って取りに行き、走って戻ってくる子供たちの姿が印象的でした。

館長講演会


<館長講演会のようす>

 5月18日(土)今年度2回目の館長講演会が開催されました。テーマは「米作りからクニへ」であり、弥生文化から古墳文化にかけて、日本国が成立した以前のことを、北海道と沖縄等をのぞいた列島規模を対象に講演されました。当日は、あいにくの雨天日でしたが、24名ほどの方が集まりました。稲の起源地や稲作文化の伝達経路、日本列島内に見られた3つの文化(南の文化・本土・北の文化)、“みんなの中の一人の墓”から“一人のための墓”への意識変化などを通して、わかりやすく解説されました。(今後の予定は下表のとおりです。この機会に是非足をお運びください。)

 
期 日 時間・場所 テ ー マ
9月28日(土) 午後1:30〜3:30  講 堂 考古学から見た世界の歴史1「狩と採集の暮し」−旧石器文化
10月26日(土) 考古学から見た世界の歴史2「農耕と牧畜の生活」−新石器文化
11月23日(土) 考古学から見た世界の歴史3「都市の誕生、それから国へ」−金属器文化

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