■文化財研修のご案内■
1〜3月の研修
1〜3月の文化財研修は、基礎研修2コース、専門研修2コースを実施します。本年度最後の募集期間となりますので、みなさま、ふるってお申し込みください。なお、詳細はホームページや館内備え付けのチラシ等をご覧下さい。
1月23日(土)は、調査技術基礎研修「分布調査の方法」を実施します。県内の文化財担当者等の方を対象に、埋蔵文化財調査の基本となる分布調査について、事務手続き・現地調査の留意点・整理方法等を研修します。
2月13日(土)は、基礎研修「考古学と地方史研究」を実施します。考古学からみた県内各地の歴史を学ぶ研修で、甲子トンネルの開通を記念して、大内宿・下野街道の発掘調査成果を中心に会津地方の遺跡をテーマとします。
2月25日(水)は、専門文化財研修「史跡整備専門研修」を実施します。県内の文化財担当者等の方を対象に、史跡整備のための調査方法、企画・事務手続き等の他、地域の取り組み等について研修します。今回は、本年度開館した郡山市の大安場古墳史跡公園を会場に、同施設職員から史跡公園建設の体験談を講義していただく予定です。
3月7日(日)は、基礎講座「文献資料と地方史研究」を行います。文献資料からみた県内各地の歴史について学び、考古資料との補完関係を通して歴史理解を深める研修です。今回は、白河地方に焦点を当てた内容です。
<荒小路遺跡の土偶> 荒小路遺跡出土の土偶
楕円形の大きな顔。鼻と眉毛のあたりが高くせり出して、彫りの深い顔になっています。飛び出した目や口がひょうきんですね。頭の上と後ろには、髪飾りか束ねた髪が表現されています。
細い胴のわりにしっかりした腰と脚で、まっすぐ立つことができます。両腕が欠けている以外は、ほぼ完全な形が残っています。ボディラインは丸い小さな刺突で縁取られ、表面は集合沈線や渦文で埋め尽くされています。この文様には綱取II式(縄文時代後期前葉、約4,000年前)の特徴が見られます。顔の形こそ楕円形ですが、「ハート形土偶」のバリエーションとされています。
この土偶は荒小路遺跡(郡山市田村町)で見つかりました。荒小路遺跡は縄文時代後期を中心とした集落の跡で、竪穴住居跡や狩猟用の落とし穴の跡、埋甕(土器を埋めた墓)などが発見されました。
土偶以外にも、数多くの縄文土器や石器が見つかっています。今回ご紹介した土偶の姉妹たちもたくさんいて、中には入れ墨をした土偶やまん丸顔の土偶、目を閉じたような土偶もありました。ヒトだけでなくイノシシ形やイヌ形の土製品も見つかっています。縄文人が何を考えて作ったのか? 興味は尽きません。
この土偶は現在、イギリスに「出張」しております。大英博物館では11月22日(日)まで、日英修好通商条約締結150年記念事業の一環として「土偶展」が開催されています。「土偶展」では、日本を代表する土偶が60点ほど展示されております。この土偶も、日本代表チームの一員として、イギリスに赴きました。
大英博物館での展示終了後は、東京国立博物館における「帰国展」(仮)で展示される予定です。
長い「出張」を終えて、まほろんに凱旋するのは来年の4月頃になりますので、その時じっくりとご覧いただければと思います。
獣脚ろうそくがつくれます
10月27日(火)から11月6日(金)は、体験活動室で「獣脚ろうそくづくり」が体験できます。材料費は200円。色はお好みで自由自在。
他では体験できないメニュ−ですよ〜。
■ご利用案内■
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休 館 日:月曜日(月曜日が祝日・休日の場合はその翌日、ただしGW・夏休み期間中は開館)、国民の祝日の翌日(土曜日・日曜日にあたる場合は開館)、年末年始(12月28日〜1月4日)
入 館 料:無料(体験学習は、材料費が必要な場合があります。)
そ の 他:団体(20名以上)でご利用の場合は、事前にご予約ください。