■まほろん秋のてんじ案内■
テーマ：ふくしまの重要文化財�后仝妬�時代前期編
会 期：10月６日〜12月２日
入場料：無料
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| ＜三角縁神獣鏡の復元品＞ |
昭和39年、会津若松市にある会津大塚山古墳の発掘調査が行われました。会津大塚山古墳は全長114ｍの巨大な前方後円墳です。発掘調査によって、後円部から２基の遺体を埋葬した木棺とたくさんの副葬品が出土し、古墳の中でも古い段階の古墳時代前期に属する古墳であることが明らかになりました。会津大塚山古墳の発掘調査は、東北地方ではじめて行われた本格的な大型前方後円墳の調査でした。この調査を先駆けに、このあと福島県内の各地で大型の前方後円墳や前方後方墳の調査が行われるようになりました。
このような、前方後円墳や前方後方墳などの人工の小山を築いて、遺体を埋葬した古代の墓を「古墳」と言います。西暦200年の後半、奈良県の大和地方を中心に大和王権が成立し、東北から九州までの日本各地に勢力を広げていきました。大和王権のリーダーである大王や、その重臣達が亡くなると築かれたのが古墳です。日本で古墳が造られるようになった西暦200年後半から、西暦500年の300年余りのあいだの時代を日本史の中では「古墳時代」と呼んでいます。また、西暦200年後半から西暦300年のあいだを古墳時代の「前期」と区分しています。
福島県では、会津大塚山古墳の調査以来、各地で古墳時代前期の古墳が発見され、調査が行われるようになりました。会津地方では会津若松市、会津坂下町、喜多方市に前期古墳が集中しています。中通り地方では郡山市や須賀川市、大玉村など阿武隈川中流域で発見されています。浜通地方ではいわき市や南相馬市、浪江町で前期古墳の調査が行われています。
今回の展示では、県内の前期古墳のうち、国および県の重要文化財に指定されている会津若松市の会津大塚山古墳・田村山古墳、会津坂下町森北1号墳、郡山市大安場古墳の出土遺物を展示し、これらの遺物をとおして、福島県の「古墳時代の幕開け」について県民の皆様に知っていただく展覧会にしたいと考えております。特に、会津大塚山古墳の「三角縁神獣鏡」、田村山古墳の「内行花文鏡」、森北１号墳の「方形状区画珠文鏡」などの銅鏡や県内を代表する古墳時代前期の遺物が一堂に会します。皆様お誘い合わせのうえ、まほろんまでお越しください。
まほろんでは、平成17年にいわき市中田横穴出土馬具のうち、鞍と馬のおしりの飾り尻繋について、復元を行いました。そして、昨年と今年は、馬に乗ったり、馬の上で踏ん張るため鐙の復元を予定しています。
今回はこの鐙の復元について紹介します。いわき市中田横穴から出土した鐙金具は、すべてバラバラに出土しました。このため、復元するために、最初に金具の図面を作成し、次に金具の組み合わせを考え、これを元に鐙の設計図を作成しました。鐙はその形から、金銅装三角錐形壺鐙と呼ばれるものです。
さて、復元に際して最も苦慮したのが、鐙側面の状況でした。写真１に示したのが問題の鐙側面の金具ですが、これで解りますように、金具が全然湾曲していません。さらに、つま先側が上がっています。この状態は、一般に見られる鐙の形状とはだいぶ異なります。このため、最初は、金具自体が鐙金具とは異なるのではないか？と疑いました。が、度重なる検討の結果、鐙先端が三角形で、側面が直線になる形状を有し、さらにつま先が上がる鐙であったと結論付けました。昨年完成した木質部は、写真２のような形になりました。今年、この鐙に金属を装着します。
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| ＜写真１ 鐙側面の金具＞ | ＜写真２ 鐙（木質部）＞ |
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| ＜入門考古学講座「ふくしまの鍛冶史」のようす＞ |
青葉の香りを吹きおくる初夏の風も通り過ぎ、木々の緑も日増しに濃くなってまいりました。夏期に行われる文化財研修を紹介いたしますので、皆様お誘い合わせの上、ふるってご応募ください。
７月７日は、体験学習支援研修３「指導者のための火打ち金づくり」を須賀川市歴史民俗博物館で行い、火打ち金づくりを通して火の歴史を学びます。
７月21日は、専門考古学講座�気魍�催します。今回は「古新羅王墓の編年」と題して、福島県考古学会副会長馬目順一先生を講師に、副葬品の変化を通して朝鮮半島古新羅王墓の編年を見ていきます。
８月１日〜３日には教職員発掘調査体験研修を相馬市山上の福島県教育委員会が実施している阿武隈東道路建設予定地内の発掘調査現場で行います。
８月５日は、無形の文化財研修�機峺綫い北餌�芸能を伝えるために〜念仏踊を通して考える」を開催し、県南の念仏踊りを学びます。
８月29日〜31日は、製鉄関連遺跡の調査方法をテーマとして、遺跡調査技術研修を相双地区の発掘調査現場で行います。
９月７日は、会津美里町で史跡整備研修を行います。さらに整備が進められている芦名盛氏が築いた東北屈指の山城である向羽黒城の現地見学も行います。
９月22日には専門考古学講座�掘峭邑迭悗亮命殖押廚髻�当館藤本館長を講師に行います。
■まほろんボランティア展示福島4000年前の美−あなたの一番も探してみては？−■
会期：７月14日（土）〜９月２日（日）
場所：まほろん特別展示室
写真の土器は、今年度の夏休み期間（７/14〜９/２）に開催する、まほろんボランティア展示『福島4000年前の美』に展示しています。この展示は、縄文土器などの当館に収蔵する資料の復元作業をお手伝いいただいているボランティアさん達が、法正尻(ほうしょうじり)遺跡の土器の中から印象に残るもの約20点を選び出したもので、写真の土器は中でも特に魅かれる土器だそうです。
法正尻遺跡は、磐梯山のふもとに継続的に営まれた縄文時代中期（約4000〜5000年前）の集落遺跡で、当時の住居跡約130軒とともにたくさんの貯蔵穴跡が見つかっています。写真の土器も、貯蔵穴跡から見つかったものです。その貯蔵穴跡にはいくつもの土器が置かれていたようです。写真の土器は当時の福島県内で使用される土器の形や文様（大木８a式）をしており、底部まで残っていませんが、口縁部分の大きな４つの突起が特徴的で、それらの突起を緩やかな渦巻状の文様でつなげています。やわらかな文様と器面の色調が作り手の人柄まで想像できるようです。皆さんも是非来館され、ご自身の目で確かめて、自分なりの一番を探してみてください。
■まほろんからのお知らせ−「ネットでまほろん」参加校募集中−■
まほろんでは、ＦＫＳ（ふくしま教育総合ネットワーク）のビデオ会議システムを使って参加してくださる学校を募集しています。詳しくは、当館ホームページをごらんください。
開館時間： 9：30〜17：00（入館は16：30まで）
休 館 日： 月曜日（月曜日が祝日・休日の場合はその翌日、ただし夏休み期間中は開館）国民の祝日の翌日（土曜日・日曜日にあたる場合は開館）年末年始（12月28日〜１月４日）
入 館 料： 無料（体験学習は、材料費が必要な場合があります。）
そ の 他： 団体（20名以上）でご利用の場合は，事前にご予約ください。