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<粘土を並べて炉をつくります>
 基礎構造が完成すると、ようやく炉の構築になります。復元する製鉄炉と同様に、ふいごと炉の距離・位置を決め、炉の中に風を送る羽口を設置し、粘土ブロックを積んで構築していきます。底から50pほどの高さになった段階で、炉の中と外からマキを燃やし、一度乾燥させます。乾燥が終了すると、さらに粘土を積んで、炉を高くし、強制的に乾燥させるため、炉の中と外から火を焚きます。
 構築した炉は、幅60p、長さ110p、高さ110pでした。
復元対象とした古代の製鉄炉の推定規模は、幅60p、長さ210p、高さ110pでした

 


<炉の周りで火を焚いて乾燥させます>

から、長さにして1mほど短い炉となりました。炉の構築には、4日間かかりました。
 このような作業が終了し、ようやくイベント当日の朝が迎えられました。
 本番を迎えた鉄づくり、大勢の方に参加していただいたふいご踏み、砂鉄や木炭を投入したようすについては、次回にお話しいたします。お楽しみに。
 

 まほろん秋のてんじ
<三春町柴原A遺跡出土注口土器>

新編陸奥国風土記
―巻之三 安積郡ー

 期間 3月13日(土)〜5月16日(日)
 まほろんの春のてんじは、古代安積郡(郡山市と田村郡)の収蔵資料についてご紹介します。
 縄文時代では、三春ダム関連の遺跡、古墳時代では郡山市の正直A遺跡、中近世では、東北横断自動車道路関連発掘調査によって得られた遺跡からの出土品や写真パネルを展示する予定です。
 是非ご来館ください。

 体験学習
<鹿鍋を煮込んでいるようす>
オモチ:弥生時代にオモチを食べていたかは分かりませんが、遺跡から出土したものそっくりに作った竪杵と臼でモチをついてもらいました。
栗のデザート:栗をすりつぶしたものに、卵の黄味、はちみつを加え、くず粉で水饅頭ふうにしてみました。食感が楽しいお菓子になりました。
 前回の縄文料理と違って、お米が使えるので、今の食事と遜色ないメニューができました。お米はドングリに比べ、格段においしいですね。最近は、お米は1日一回食べるか食べないかという人も多いかと思いますが、「お米はエライ!」と感じた行事でした。

弥生グルメ祭

 12月7日の日曜日、「弥生時代の料理はこんなかな?」と思うものを作って参加者の皆さんと食べました。今回のメニューは、古代米を主食に構成しました。
鹿鍋:材料は鹿の肉、キノコ、山菜、里芋、味付けは塩だけです。あっさり味でとてもおいしくできました。鹿肉は煮込むと固くなり、アクも出るのであまり煮こまないのがコツかもしれません。鍋には、復元した弥生土器を使いました。肉は石器で、参加者のみなさんに切ってもらいました。
サケ鍋:鹿肉の代わりにサケを使ったもので、サンペイ汁と大差ありません。
ごはん:赤米を土器で炊きました。米は長めに水にひたすのがコツのようです。炊くときは土器に蓋をしましたが、気密性が低いため、蒸らしがうまくいきません。土器で作るなら、お粥の方が向いているかもしれません。
チマキ:赤米を笹の葉でくるんで、弥生土器で煮てみました。チマキのような形をしたお米の固まりが、弥生時代の遺跡からみつかっています。

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